研究課題/領域番号 |
18K01417
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
鹿 錫俊 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20272784)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 日本 / 中国共産党 / 日中戦争 |
研究実績の概要 |
大学より「海外研究員」として一年間海外研修を命じられたため、2019年度では日本での研究ができなかった。そのうえ、2020年2~3月に実行予定のロシア等での資料調査も新型コロナウイルス感染症の影響により断念せざるを得なかった。いずれも本研究の申請当初予期していないことである。このような困難な状況のなかでも、本研究は下記のように推進した。 (1)新しい現実を踏まえて、北京大学、南開大学、オックスフォード大学などの研修先においてできる限りの資料収集に努め、中国共産党側の公刊資料を多く入手した。 (2)海外研究員としての研修に励むと同時に、昨年度に収集した資料と今年度に入手した資料を解析しつつ、1936年12月の西安事件から1938年1月の「国民政府を相手にせず」声明に至る時期を対象に、日本・ソ連・中国共産党・中国国民党による三国四方の相互関係を再検討し、系列論文の草稿を三本まとめた。また、『外交戦略をめぐる日中間の攻防』を仮題とする単著書を執筆し続けた。 (3)学会発表の面では、南開大学と『抗日戦争研究』編集部が共催した国際学術会議に「日本の学界における戦時中国共産党史の研究」と題する論文を提出した上、報告を行なった。また、オックスフォード大学中国センターでの講演“The Japanese Issue in CPC-KMT Relations during the Post-War Years”をはじめ、中国社会科学院近代史研究所、中央研究院近代史研究所、南開大学、南京大学などで講演や発表を行ない、本研究による成果を海外に向けて積極的に発信した。同時に、国際共同研究を進めるための人脈を広めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全般では困難な状況下でも努力を続け、着実に成果を収めてきた。 他方、勤務先より「海外研究員」として一年間海外研修を命じられたため、2019年度では日本での研究と調査ができず、また、2020年2~3月に実行予定のロシア等での資料調査も新型コロナウイルス感染症の影響により断念せざるを得なかった。よって、当初の計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
(1)新型コロナウイルス感染症による障害を克服するために、研究期間を延長し、ロシアやアメリカなどでの研究調査と資料収集をやり遂げる。 (2)新しい論著を執筆するとともに学会発表をはじめ成果の発信を積極的に行っていく。 (3)新型コロナウイルス感染症による国際旅行の制限が長引き、海外での研究調査が不可能となる場合に備えて、今から対応案を工夫し始め、できる限りの成功を確保させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
【理由】勤務先より「海外研究員」として一年間海外研修を命じられたため、2019年度では日本での研究と調査ができず、また、2020年2~3月に実行予定のロシア等での資料調査も新型コロナウイルス感染症の影響により断念せざるを得なかった。 【使用計画】研究期間を延長し、ロシアやアメリカでの研究調査を実現する。また、本研究の集大成として最終年度に国際研究集会を開催する。
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備考 |
オックスフォード大学中国センターでの講演“The Japanese Issue in CPC-KMT Relations during the Post-War Years”をはじめ、中国社会科学院近代史研究所、中央研究院近代史研究所、南開大学、南京大学などで講演や発表を行ない、本研究による成果を海外に向けて積極的に発信している。
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