研究実績の概要 |
本研究は、「ポピュリストのどのような言説が、どのような有権者に支持されるのか」を国際比較の視座から明らかにするものである。世界的な政治現象としてみなされているポピュリズムに対して、本研究では日米英の比較検討を通じ、共通項のみならずその相違についても示すことを目指している。最終年度である2020年度には、西川はポピュリズムに関するアメリカの先行研究をまとめ、収集したアメリカの19世紀の政治家に関する歴史的文書を広く収集し、トピック・モデルやコサイン類似度など、テキスト分析の手法を用いて分析を行い、成果を2021年1月のSouthern Poitical Science Association, 4月のWestern Political Science Associationで報告し、Midwest Political Science Associationでも報告予定である。また、初年度のアメリカ人を対象とするサーベイデータの収集に続き、最終年度には稗田・善教の監督下で、日本人とイタリア人を対象とする調査を実行し、数千のサンプル回収に成功した。善教は『選挙研究』に二本、『公共選択』、『法と政治』に一本ずつ論文を刊行し、日本政治学会でも報告を行った。さらに善教は社会発信的論考を『中央公論』にも発表している。研究分担者との意思疎通もきわめて円滑に行われ、SNSを用いて研究成果の学会報告予定を周知するなど、研究成果を広報することにも努めてきた。以上のように、非常に順調に研究が進捗したといえよう。今後も海外学会での研究報告、国際ジャーナル(可能であれば政治学分野のトップジャーナル)への投稿を精励し、最終成果を世に問う方針である。
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