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2018 年度 実施状況報告書

政治思想史方法論の新展開:ポスト・ケンブリッジ学派の諸動向と定量的解析を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 18K01419
研究機関法政大学

研究代表者

犬塚 元  法政大学, 法学部, 教授 (30313224)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード思想史方法論 / ケンブリッジ学派 / ポスト基礎付け主義 / 実証主義 / 不完全決定性 / 因果分析 / テキストマイニング
研究実績の概要

本研究課題の初年度となる2018年度には、キックオフとして、ここまでの研究成果を暫定的にまとめて、学会において口頭報告を行った(「いつまでスキナー頼みか:ケンブリッジ学派以後の政治思想史方法論」、日本政治学会研究大会、2018年10月)。
そこでは、第一に、政治思想史研究におけるケンブリッジ学派の方法論について、その形成期にさかのぼって、いかなる知的・学問的文脈のなかで当該方法論が形成されたかを、学問史的・思想史的手法によって検討した。分析の結果、これまでほとんど注目されてこなかった、(当時の実証主義の動向をふまえた)因果的説明の妥当性をめぐる方法論論争こそが、ケンブリッジ学派の形成に決定的に重要であったことが明らかになった。
第二に、スキナー以後の、英語圏におけるこの20年間の政治思想史方法論について調査・分析し、その特色や傾向を解明した。とくに注目したのは、Mark BevirとAdrain Blauの思想史方法論である。この作業によって、ポスト基礎付け主義ないし不確実性を前提にしたうえで、いかに思想史研究において解釈の妥当性を担保するか、という学問史的課題が浮き彫りになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題は、2つの具体的ターゲットを掲げており、そのうちの1つ、ケンブリッジ学派以後の方法論の動向の解明については、順調に研究が進み、口頭報告をおこなうとともに論文執筆作業もすすめた。他方で、定量的テキスト分析に関しては、学会誌に小文を発表したにとどまった(『イギリス哲学研究』42、128-129ページ)。

今後の研究の推進方策

2018年度に明らかになった研究成果については、論文としてまとめ、2019年度に公刊予定である。また、この分析のなかでは、20世紀半ばの社会科学方法論論争の重要性が明らかになったので、当該領域について重点的に資料調査をすすめる。定量的テキスト分析に関しては、政治思想史研究の観点から、方法論の整理をおこなう。

次年度使用額が生じた理由

2018年度に予定していた論文公刊が1年遅れたため、資料調査にかかる費用(書籍購入費、出張旅費、複写費)が当初予定額に満たなかったが、2019年度に公刊を予定しているため、当該額はそのために繰り越して使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Sora Sato, Edmund Burke as Historian2019

    • 著者名/発表者名
      犬塚元
    • 雑誌名

      イギリス哲学研究

      巻: 42 ページ: 108-110

    • オープンアクセス
  • [学会発表] いつまでスキナー頼みか:ケンブリッジ学派以後の政治思想史方法論2018

    • 著者名/発表者名
      犬塚元
    • 学会等名
      日本政治学会研究大会
  • [図書] 社会思想史事典2019

    • 著者名/発表者名
      社会思想史学会(編集幹事6名:安藤隆穂・上野成利・植村邦彦・齋藤純一・坂本達哉・三島憲一,編集委員13名:犬塚元・鵜飼哲・宇野重規・梅森直之・大貫敦子・奥田敬・小田川大典・後藤浩子・中山智香子・野村真理・細見和之・森川輝一・山岡龍一)
    • 総ページ数
      888
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      978-4-621-30341-2
  • [備考] 法政大学法学部ヨーロッパ政治思想史研究室

    • URL

      http://inuzukah.ws.hosei.ac.jp/index.html

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公開日: 2019-12-27  

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