研究課題/領域番号 |
18K01424
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
幸田 雅治 神奈川大学, 法学部, 教授 (10635460)
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研究分担者 |
牛山 久仁彦 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (30308704)
金井 利之 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (40214423)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | インパクトアセスメント / 国会議員の情報源 |
研究実績の概要 |
日本の国会審議の実態を調査分析するため、実際の法案審議を対象にヒアリングを実施した。改正個人情報保護法についての改正経緯及び国会審議に詳しい板倉陽一郎弁護士(研究協力者)との意見交換を行った上で、分析の対象とする法案の選定を行った。 最初に、平成30年3月に提出された民法の一部を改正する法律案(成人年齢の引き下げ)についての国会審議の分析を行うことにした。 第一に、衆議院特別調査室作成の法案審議資料を入手し分析した。第二に、法案審議の議事録を読み込んだ。第三に、法案審議の事務方を担った衆議院委員部のヒアリングを行った。第四に、内閣法制局の法案審査資料を情報公開請求した。第五に、法案審議にあたり、法案内容の問題点を指摘し国会議員に働きかけを行った弁護士2人からヒアリングを行った。 審議の充実と議員(質問者及び答弁者)の当該法案の理解度、知識量が比例することは確かであるが、その知識をインプットするのは誰かについて、衆参調査室の資料は十分に活用されていないこと、主たる情報源は与党は霞が関である一方で、野党は多様であることが予想されるが、その情報源がどこであるかは明確にはならなかった。 また、参考人質疑と付帯決議に関係があることが認められたが、一般化できるかどうかは明確ではない。法案のインパクトアセスメントが十分に行われるようにするには制度的な保証が欠かせないのではないかとの意見が出されたが、今後、外国の制度との比較を行って、分析を深めていくことにする。 次年度の研究対象として、平成30年12月に成立した水道法の一部を改正する法律を取り上げることを決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
民法の一部を改正する法案を対象として検討を開始したが、議事録の読み込みに相当の時間を要したこと、情報公開請求に時間を要したこと、ヒアリングの日程調整に時間を要したいことなどにより、本格的な分析は法案1本にとどまった。 審議の充実にそのような要素が大きく影響しているかについては、いまだ理論的分析までには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
水道法の一部を改正する法案については、水道法改正によって、どのような社会的インパクトが生じるのかについて事前に検討したうえで、この点について法案審議でどの程度の審議がなされているかを比較する。それによって、審議の質的な面について分析を行うことが可能となると考える。 海外調査として、欧州諸国を対象に、国会における実質的な審議を可能ならしめている制度的側面について調査を行うとともに、充実した法案審議と制度面の関連性について、ヒアリング調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査を実施せず、次年度に繰り越した。 【次年度使用計画】 欧州を対象にした海外調査を実施する。 水道法改正を対象にした、各種ヒアリングを実施する。
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