研究課題/領域番号 |
18K01425
|
研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
中村 悦大 愛知学院大学, 総合政策学部, 教授 (10432783)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 政治学 |
研究実績の概要 |
2021年度も引き続きコロナ感染の拡大によるオンライン授業化などにより、学生に対しての規模の大きな実験の実施を行うことができなかった。 しかしながら、自然実験のフレームワークを利用した高校生に対する政治参加と政治知識・政治的有効性感覚に関する調査に関しては、2021年の衆議院議員選挙の機会を利用してこれまでと同様に継続して新たな調査を行うことができた。具体的には、政治参加により政治知識の政治的有効性感覚が向上するかどうかに関して、高校三年生を対象とした調査を行った。これは高校三年生の場合、ほぼ同様な生活をしているにもかかわらず、生まれた日によって選挙権があるグループとないグループが存在するという状況を利用し、投票への参加が政治的知識や政治的有効性に影響を与えるのかを見るという調査である。これまでの検討から、党首の名前など一般的な政治知識に関しては投票の有無による影響はないが、地元の政治家など地域のコンテキストにかかわる知識は投票により増加し、また主観的には特に地域の将来に関しての考えることができたという回答が増えるため主観的には投票が影響しているという結果が得られており、今回もほぼ同様な結果が得られた。ただし、今回の調査結果に関しては、生まれ月の影響を考慮すると、投票参加の効果が見えにくくなるなど、これまでと異なる傾向が見られた部分があるため、新しく検討すべき点が生まれており、その点について慎重に検討している。2022年には参議院議員選挙も予定されているためその機会も可能であれば利用して、調査を行いたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
学生を対象にした実験を主とする研究であるが、コロナ感染の拡大によるオンライン授業化などがあり、大規模な実験の企画ができなかった。特に申請者の所属する大学は男子学生の比率が多いため女子大学に協力を求めサンプルの多様性を確保したいところではあったがそのような状況が可能であるという事態に至らなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
課題期間を延長した2022年度は、これまでのところ感染拡大の影響も大きくないと予想できるため、この機を利用して学生に対する実験の実施を他大学の研究者への協力の要請も含めて、実施してゆきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
実験の実施や学会への参加等を計画通り十分に行うことができず、そのために残額が残った。2022年度に関しては最新の機材を用いて実験や調査を行いたい。
|