研究課題/領域番号 |
18K01426
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
小堀 眞裕 立命館大学, 法学部, 教授 (70253937)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ウェストミンスター / 議会解散 / イギリス / 日本 |
研究実績の概要 |
2018年は、the International Journal of Constitutional Lawに投稿し、掲載が決定しているが、掲載が予定されているのは、日本時間では2019年である。本研究は、日本における権威である樋口陽一の一元型議院内閣制批判と、宮沢、芦部などによって作られてきた「自由な解散」論を批判するものであり、憲法学上も政治学上も重要な意味をもつものである。また、英仏両国の憲法学の方法に関する分析も交えて、日本の憲法学者の議論が過度にフランス(主としてカレ・ド・マルベールとルネ・カピタン)に依拠し、イギリスから学んだ議院内閣制といいながら、イギリスの文献への参照を怠ってきたことを明らかにした。また、そのために政治学の解釈主義アプローチを憲法学に用いた独創的な研究である。 また、この論文と同じ内容を、世界政治学会研究大会the International Political Science Association Conference, Brisbane, Australiaで報告を行い、英米の有力研究者からコメントを得た。その見地は、上記論文で活かされている。 2019年のMark Bevir & R. A. W. Rhodesの日本政治学会招へいに向けても、その意義を海外に知らせるという意味で、意味をもつものである。また、その内容は、2018年にブリスベンで行われたInternational Political Science Association Conferenceの分科会で報告した内容である。解釈主義は、上記のビーヴァー&ローズが世界に広めたもので、両先生とも非常に重要な影響力を持つ先生方である。しっかりと企画を成功させていきたいと考えております。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
発表の時期が2019年にずれ込んだが、原稿の提出と掲載の決定などから見て、2018年に行うべきことは行ったといえる。2019年日本政治学会での招へいに関しても、R. A. W. Rhodesが高齢や体調の問題で未定ではあるが、Mark Bevirについては京都・東京での報告も快諾していただいているし、順調ということができるだろう。
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今後の研究の推進方策 |
2019年10月に、日本政治学会でのBevir & Rhodesの報告を成功させ、日本政治学においても、今日世界的に注目されている解釈主義を紹介したい。また、筆者の日本語著作についても、立命館大学の学術出版助成を得て出版することになっており、現在、鋭意原稿を執筆中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度に日本政治学会研究大会に海外から2名の先生を招へいする予定で、そのための資金を残しておく必要があったから。
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