本研究の成果の中心となるのは、W・バジョット(1826-77年)の政治論における主著であるThe English Constitutionの「第二版(1872)」ならびに、同書においては初版(1867年)にのみ納められた彼の選挙法改正論(「簡潔な選挙法改正構想」)の全訳を行い、これらを『イギリス国制論』(上下2冊)として2023年3月と5月に岩波文庫から出版したことである。同書は、イギリス国制を三権分立論や混合政体論から説明する伝統的な理解に代えて、これを立法府と行政府とが「融合」した議院内閣制としてはじめて論じた議院内閣制論の古典である。
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