研究課題/領域番号 |
18K01433
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
御厨 貴 東京大学, 先端科学技術研究センター, 客員教授 (00092338)
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研究分担者 |
牧原 出 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00238891)
手塚 洋輔 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (60376671)
佐藤 信 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (70761419)
飯尾 潤 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (90241926)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 有識者会議 / 審議会 / オーラル・ヒストリー / 日本政治 / 公共政策 |
研究実績の概要 |
本研究課題は,政策形成においてしばしば有識者会議が活用されてきたことを前提に,他方で近年の有識者会議は極めて重要な政治課題を扱っているにもかかわらずその形態や事務局体制が変化し有識者個人の比重が高まっているとの仮説的問いを踏まえて,2010年代以降の有識者会議を主たる対象に,その実像を明らかにするとともに現代的変容を解明することを目的としている。
かかる問題意識から,機微に渡る事実関係を適切かつ包括的に取り扱うため,(1)厳格な保秘を確約できるごく少数のグループによって当事者へ聞き取りを行う手法を採用し,事実関係の発掘と精密な同定に注力するとともに,(2)情報の保全も含めた,資料及び聞き取り成果の整理保管方法を構築しつつ,(3)有識者会議の変容の解析を遂行する計画である。
第1年度である2018年度では,以下の3点で研究を進めた。(1)東京大学先端科学技術研究センターを拠点に研究体制の構築を行うとともに,オーラル・ヒストリー対象の選定を進めた。(2)当事者への聞き取りについては,震災復興を題材とした被災自治体首長に対するオーラル・ヒストリーを開始し,一定の聞き取りを行うことができた。(3)資料及び聞き取り成果の整理保管については,研究代表者・研究分担者の全員が参画し,これまでの日本における実践に加えて,諸外国における近年の潮流も含めて調査検討した論文集を刊行した(御厨貴編『オーラル・ヒストリーに何ができるか』岩波書店,2019年3月)。(4)その他,関係する知見を用いた研究を個人レベルで精力的に推進し,書籍等として刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当事者への聞き取りについては,順調に開始した領域がある一方で,諸事情により引き続き調整を行っている領域もある。ただしこれについては,進捗が遅れているというよりは,聞き取り対象者の予定とのタイミングの問題が大きい。
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今後の研究の推進方策 |
(1)当事者への聞き取りについては,既に開始している領域・対象については,引き続き聞き取りを推進する。また,調整中の領域・対象についてもできるものから順次開始できるよう精力的に準備を進める。 (2)資料・成果の整理保管方法の構築については,第1年度の成果を踏まえて,情報系分野との連携を視野に入れつつ検討を進める。 (3)有識者会議の変容の解析については,(1)の聞き取り成果の蓄積を見据えつつも,具体的な解析のための研究会を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に当事者への聞き取りが一部未実施だったことから,その分のテープ起こし等の必要経費で未使用額が生じた。これについては,今後の聞き取りを実施することにより使用する予定である。
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