本研究は、1990年以降に相次いで開講された政治塾や政治スクールが、女性の政治参加にどのような影響を及ぼすかについて、女性が直面する候補者リクルートメント過程における障害に着目し、申請者がこれまで行ってきた事例研究と事例比較の手法を用いて考察するものである。最終年度は研究成果のまとめとそれらの報告を主に行った。 1.(統一地方選挙の結果の収集と分析)本研究2年目の2019年および最終年度の2023年度の統一地方選挙が実施について、道府県議選会議員選挙のデータの収集および性別・党派別・新現元別・選挙区定数別等の分析、2015年統一地方選挙のデータ比較などを行い、無所属の新人候補の増加傾向や政党ごとの女性候補者擁立の状況、女性候補者のキャリアパス(立候補時の職歴)などについて考察し、国内外の学会にて報告、論文等を執筆した。 2.(インタビューの実施と分析)本研究2年目に実施した女性候補者支援を実施する団体(中部、西日本)へのインタビュー調査(半構造化)を分析・考察した。主な質問項目は設立の経緯や受講者の属性、カリキュラムの概要、卒業生のその後の動向などである。事例数は限られてはいるものの、講座により参加しやすい工夫や政治分野における男女共同参画推進法への捉え方などを具体的に聞き出し、それらの考察結果を国内外の学会にて報告、論文等を執筆した。 3、(文献収集)統一地方選挙に向けて候補者支援・擁立を目指すグループに関する文献を収集した。特に、2023年4月実施の統一地方選挙については、20,30歳代を中心とした女性候補者支援の動きに関する情報を収集した。
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