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2023 年度 実績報告書

実効的なEBPM(エビデンスに基づく政策形成)の条件に関する比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K01442
研究機関学習院大学

研究代表者

藤田 由紀子  学習院大学, 法学部, 教授 (00338584)

研究分担者 内山 融  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00242066)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードEBPM / エビデンス / 政策形成
研究実績の概要

本年度は、主に英国のEBPMについて以下のとおり実地調査を行った。英国では分析専門職がEBPMに大きな役割を担っている。分析専門職には、エコノミスト、社会調査職、オペレーショナル・リサーチ職、統計職、保険数理職などがある。そして、これらの専門職を包括するグループとして、2018年に「分析ファンクション」が置かれた。各分析専門職を横断して、グッドプラクティスや基準を共有し、革新的な方法を開発し、インパクトのある分析を提供することが分析ファンクションの目的である
また、ジョンソン政権下の2021年4月には政策評価タスクフォース(ETF)が設置された。ETFは内閣府と財務省の共同傘下にある組織であり、政策の有効性に関する頑健なエビデンスが政府の支出決定に当たって重視されるようにすることを目的としている。具体的には、各省の予算要求の根拠となっているエビデンスについて財務省歳出チームに助言すること、各省の評価の設計と実施に関して助言と支援を行うことなどを任務としている。
期間全体の成果としては、EBPMの実効性を高めるための条件について以下のことが明らかになった。第1に、エビデンスの供給側の条件として、政策分析を提供するリサーチコミュニティが存在し、政策決定者と密なネットワークを形成していることである。第2に、エビデンスの需要側の条件として、政策決定者にもEBPMの重要性や基本的な考え方が浸透していることである。英国では財務省が監修するグリーンブック(事前評価のガイドライン)、同省とETFが共同監修するマジェンタブック(事後評価のガイドライン)といったEBPMのためのガイドラインが策定されており、分析専門職だけでなく政策決定者にも理解することが求められている。第3に、供給側と需要側をつなぐ条件として、外部専門家と政策決定者を媒介する役割が必要である。英国では分析専門職がそれを果たしている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Evidence-based Policymaking in the US and UK2024

    • 著者名/発表者名
      Yu Uchiyama
    • 雑誌名

      VoxEU

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] 府省横断型ネットワークの導入は英国公務員制に何をもたらしたか2023

    • 著者名/発表者名
      藤田 由紀子
    • 雑誌名

      季刊行政管理研究

      巻: 183 ページ: 29-40

  • [雑誌論文] 政治主導と官僚制の行方 英、官僚の中立性を守る工夫2023

    • 著者名/発表者名
      内山融・藤田由紀子
    • 雑誌名

      日本経済新聞

      巻: - ページ: 28-28

  • [雑誌論文] EBPMの海外情勢―米国と英国を中心として2023

    • 著者名/発表者名
      内山融
    • 雑誌名

      経済産業研究所ウェブサイト

      巻: - ページ: -

  • [学会発表] Political Leadership and the Civil Service in Japan and the UK2023

    • 著者名/発表者名
      Fujita, Yukiko & Yu Uchiyama
    • 学会等名
      Seminar of EU-Asia Project, Global Governance Program, European University Institute
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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