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2023 年度 実績報告書

「新自由主義」的教育改革の日米比較ー資本主義の多様性論の批判的検討ー

研究課題

研究課題/領域番号 18K01445
研究機関大東文化大学

研究代表者

坂部 真理  大東文化大学, 法学部, 教授 (30513668)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードアメリカ教育改革 / 教員業績給 / 教員の業績評価 / 付加価値モデル(VAM)
研究実績の概要

本研究は、当初は日米間の教育改革の比較分析を課題としていたが、その後のコロナ禍の影響の長期化により、国内外での資料収集や対面調査を計画通りに実施することが困難になった。そこで昨年度からは研究課題と実施計画を修正し、アメリカで2000年代に進行した主要な教育改革である教員制度改革、特に公立学校教員(以下、教員と略)への業績給(performance-related pay)導入の動きに焦点を絞った上で、この制度改革に至った政治過程の分析を研究成果として纏めることにした。上記のような教員への業績給の導入(およびその前提となる、厳格な業績評価制度の導入)は、従来、教員の権利や労働条件を保障してきたテニュア、シニオリティ・ルール、年功賃金などを実質的に解体するものであり、社会的影響が大きい。かつ生徒のテスト成績を教員の成果指標とする評価手法は、大阪市の教育改革の中でも採用されており、アメリカでの先行事例やその課題を研究することは日本の改革にとっても意義があると考えられる。
2023年度は、前年度から引き続き、ブッシュJr.共和党政権二期目からオバマ民主党政権期にかけて本格化する業績給導入をめぐる政治過程を制度とアイディアの相互作用という視点から分析した。その中では、改革を促進した要因として、①NCLB法に基づく年次テストの義務化と、それに伴う生徒の成績の縦断データ(longitudinal data)の収集・蓄積の制度化、②統計学者らによる、①のデータを利用した付加価値モデル(value-added models:VAM)の考案、③マイノリティ団体らによる、教員制度改革を正当化/正統化する政治言説としてのVAMの利用、に注目し、これら諸要因間の相互作用が民主党の重要な支持層であるマイノリティと教員組合の間に改革をめぐる分断を拡大させた過程を分析した。上記の成果を一本の論文に纏めた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] アメリカ教員政策をめぐる政治‐「付加価値モデル」言説の登場とその影響(二)‐2023

    • 著者名/発表者名
      坂部真理
    • 雑誌名

      大東法学

      巻: 33(1) ページ: 3-32

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公開日: 2024-12-25  

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