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2022 年度 実施状況報告書

英米法系の地方自治における司法の役割

研究課題

研究課題/領域番号 18K01451
研究機関神奈川大学

研究代表者

柴田 直子  神奈川大学, 法学部, 教授 (20409840)

研究分担者 幸田 雅治  神奈川大学, 法学部, 教授 (10635460)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード自治体裁判所 / コミュニティ・コート
研究実績の概要

本研究は、英米法系の国、特にアメリカの自治体が、司法的手続を用いて自治を実現する機能について明らかにするものであり、具体的には①自治体の出訴権、②条例違反者が訴追される場としての自治体裁判所の機能、③アルコールやギャンブル依存症など問題を抱える当事者に代替的な課題解決プログラムを提供する自治体裁判所の機能を日本の自治体との比較の中で分析するものであった。しかし、コロナ禍の影響で海外調査の実施が困難であったため、一昨年度以降、研究計画を日本の自治体の調査により重きをおくものに若干修正した。本年度も引き続き、アメリカの自治体が果たす司法的な機能との比較を念頭に、日本の自治体が規制の執行過程や問題解決過程で果たす機能についての研究を実施した。
この目的のため調査領域もドラッグやアルコール依存症のみでなく、公害に関する「苦情対応」に拡大した。
具体的には本年度は、1)日本の自治体が果たしている問題解決機能の1つとしての地域の公害に対する苦情相談について、市町村の苦情相談担当者(7市町村)、県の公害審査会事務局担当者(1県)、市教育委員会の相談担当者(1市)に対してヒアリング調査を行った。これらの調査においては、法律や条例の規制の対象となっている公害についての相談への対応と規制の対象となっていない問題への対応のそれぞれについて、自治体の標準的な対応と当該手続の問題点、課題、近年の傾向等についての情報を収集した。
2)アメリカの西部およびカナダの自治体を訪問する計画は実施できなかった。そこで調査を翌年度に延期し、本年度は、アメリカおよびカナダの自治体について、地域の公害に対する一般的な自治体の苦情対応と調停等を行う民間の組織と自治体との協働に関する調査を文献等を用いて行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

すでに述べたように、本研究は、英米法系の国の自治体が、司法的手続を用いて自治を実現する機能について明らかにするものであり、具体的には①自治体の出訴権、②条例違反者が訴追される場としての自治体裁判所の機能、③アルコールやギャンブル依存症など問題を抱える当事者に代替的な課題解決プログラムを提供する自治体裁判所の機能を日本の自治体との比較の中で明らかにすることを当初の目的としていた。この目的のために、アメリカ以外の英米法系の地方自治制度を持つ国についても調査を行う計画であり、本年度の実施を試みたが、コロナ禍の影響で実施ができなかった。これについては、次年度に実施したい。
一昨年度に研究計画に若干の修正を加え、日本の自治体の果たしているこれらに相当する機能についての調査を行っている。これについては、概ね順調に進んでいる。
本年度、研究成果の一部をまとめて論文として公表する予定であったが、情報が不十分であったために完成できなかった。

今後の研究の推進方策

次年度は、1)まずは、これまで実施できなかった調査をできるだけ早い時期に実施する。具体的には、アメリカの西部、アメリカ以外の英米法系の国(カナダを予定)の自治体についての調査を行う。
2)修正後の計画にもとづき、日本の自治体及び自治体と協働して条例の実現にあたっている民間の団体に対する調査を継続して実施する予定である。
3)すでに、情報の収集が進んでいる領域について、研究の成果をまとめて公表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

本研究は、英米法系の国の地方自治体の機能について明らかにすることを目的としており、その目的のためには、実際に現地に訪問しまた当事者にヒアリングをすることが必要であることから、本研究計画の早い時期に訪問調査を行うことが計画されていた。しかし、コロナ禍の影響でこれまでのところ訪問調査が困難であった。
そこで、次年度に使用額を残して、訪問調査を実現させたいと考えている。

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公開日: 2023-12-25  

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