本研究では、政治経済や人々の日常生活と密接な関係を持つ廃棄物・リサイクル問題を戦後の環境をめぐる政治(環境政治)を理解する好個の事例と捉え、政府間関係論の観点から検討した。コロナ禍などの影響を受けて実証的な研究が滞り、環境政治の全体像を掴むに至っていないが、理論的な研究については文献調査や学会活動などを通して一定の進展をみた。主な成果の例としては、東日本大震災において発生した災害廃棄物の処理をめぐる政治過程について理解を深めたこと、特にそうした分析に際して時間軸を導入する重要性を明らかにしたことを挙げておく。
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