研究課題/領域番号 |
18K01457
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
平野 淳一 甲南大学, 法学部, 准教授 (10550949)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 地方政治論 |
研究実績の概要 |
本年度は、近年の市長選挙において市長の交代がどの程度の頻度で生じているのかを明らかにするために、2017年4月から2019年4月にかけて行われた市長選挙結果に関するデータの収集・構築を行った。具体的には、選挙年月日、市名、当選者氏名、各候補者の前職、党派性(推薦・支持政党)、得票数、投票率についてのデータを作成した。 その結果、2017年度(2017年4月1日から2018年3月31日)に行われた273市における市長選挙のうち、31市において現職市長の落選に伴う市長交代が生じたこと、52市において現職市長の引退に伴う市長交代が生じたことが明らかになった。また、2018年度(2018年4月1日から2019年3月31日)に行われた173市における市長選挙のうち、14市において現職市長の落選に伴う市長交代が生じたこと、39市において現職市長の引退に伴う市長交代が生じたことが明らかになった。更に、2019年4月7日(政令市)、4月21日(政令市以外の市)に行われた統一地方選挙では、103市で市長選挙が行われたが、そのうち11市において現職市長の落選に伴う市長交代が生じたこと、19市において現職市長の引退に伴う市長交代が生じたことが明らかになった。 これまでに、1975年4月から2017年3月までに行われた市長選挙結果について同種のデータを構築しており、およそ44年間にわたる市長選挙結果のデータベースを作成することができた。これらに加えて、1978年1月から2019年3月にかけて行われた市長選挙の当選者以外の氏名に関するデータの収集・構築も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現時点で、2019年4月までの市長選挙データについて分析に必要な項目を入力しており、現職市長の落選や引退によって市長の交代が生じた市を特定することができている。これらの市において新しく誕生した市長がどの程度再選を果たしているのかも明らかになっている。しかし、新たに誕生した市長が、どのような方法で支持基盤の形成を試みているのかや、それらの試みが市長の再選可能性にどのような影響を与えているのかについてはまだ十分に明らかにはなっておらず、更なる分析が必要と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、構築したデータやその他の資料をもとに、新しく誕生した市長がどのような方法で支持基盤の形成を試みているのかを明らかにしていきたい。また、そうした市長の取り組みが、自身の再選可能性にいかなる影響を与えているのかについても明らかにしていきたい。この他に、現職市長への有力な対立候補の出現の規定要因についても分析を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題の得られた成果について学会報告を予定していたが、データの収集・構築に時間がかかり、十分な分析を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。本年度は研究成果をまとめ、学会報告を行いたい。
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