研究課題/領域番号 |
18K01458
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩谷 將 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (80779562)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 日中戦争 / 盧溝橋事件 |
研究実績の概要 |
第三年度は引続き新型コロナウイルスの感染拡大により台湾における史料調査が実施できなかったため、第二年度に改訂を実施した盧溝橋事件時期の中国側の状況に加え、日本側の状況を対照して「盧溝橋事件における現地交渉―1937年7月7日~7月28日―」(Ⅰ・Ⅱ)として公刊した。 また、武漢会戦に至る時期の中国側の政治的・軍事的展開については、第三国の観察として米国陸海軍の史料を利用する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大によって公文書館が休館となり、発注したマイクロフィルムが1年以上納入されない状況にあるため、状況を勘案しつつ、次年度の前半に納入されない場合は、現有の成果のみで刊行する予定である。 和平工作に関する検討については、中国側については台湾の国史館の史料を、また日本側についてはアジア歴史資料センターや国会図書館憲政資料室所蔵資料、防衛省防衛研究所史料室所蔵資料によりおおむね調査・分析を終えたが、一部調査ができないために検討できない部分が残っているものの、おおむね刊行できる状況にあり、これについても年度の後半に調査が困難な場合にはすでにある成果を公刊する予定である。 その他、すでにフーバー研究所アーカイブズにおいて筆写した蒋介石日記から日中戦争前後の対日観を傾倒的に検討し、その一部を「蒋介石のなかの日本」(上・中・下)として公刊した。同様に日中戦争中期についても検討した成果を別途公刊する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
引き続き予定していた史料調査が新型コロナウイルスの感染拡大により実施できなかったこと、また発注したマイクロフィルムが1年以上納入されない状況にあり、武漢会戦以降の中国側の情勢判断ならびに和平工作部分についての検討に必要な史料が一部不足している。
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今後の研究の推進方策 |
年度後半に史料調査を実施する前提で不足部分を除いた分析を進め、まずは和平工作部分について年度内に成果を刊行する予定である。これについては、かりに史料調査が困難な場合は、まずは現有の史資料の分析により成果を公刊し、調査後に改めて内容の改訂を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、台湾で実施予定だった在外研究と史料調査が、所属大学の規定により外務省の渡航中止勧告対象国(地域)に渡航できなかったことから、渡航調査に要する費用が執行できなかった。これについては次年度において調査にかかる旅費等として使用する予定である。
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