研究実績の概要 |
本年度は、以前交付していただいた科学研究費補助金JP13610443(アヘン吸煙問題とイギリス人の東アジア認識について), JP18520556(イギリスおよび国際連盟の婦女子売買禁止問題への取り組みに関する研究), JP22530150(国際連盟の社会人道面での活動とイギリス人の東アジア状勢観察)に基づく研究を The League of Nations and the East Asian Imperial Order, 1920-1946 (Palgrave Macmillan)として刊行することができた。ご支援に心より感謝申し上げる。 現在の研究は、上記の成果をさらに発展させようとするものである。しかし、コロナウィルスCOVID-19が猛威を振るう中、海外出張によって新規に史料を収集することができず、本年度は研究を大きく進めることはできなかった。そのため、これまでに収集した史料の整理、二次文献の読解を中心に行った。 今後は、再び海外出張が容易になれば、史料を収集していきたいと考えている。ただし、それにしても当初予定した期間内に成果を出すことは難しく、COVID-19 の状況によるが、少なくとも2年は長くかかるであろうと考えている。 一方、なかなか海外出張が容易でない場合には、当初計画とはずれてしまうが、これまでに収集した二次文献の整理、国内で収集可能な史料によってある程度の成果は得られるのではないかと考えている。経済社会面では、これまでの研究に引き続き、20世紀前半の保健衛生面での活動、またそれ以外の分野では同時期の国際法の変容について、グローバル・ヒストリーの観点から接近、検討していくことができるだろうと考えている。ただし、これに関しても、当初予定した期間より長い研究期間が必要になると考えている。
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