本研究の目的は、開発援助委員会(DAC)加盟諸国による援助配分行動がなぜドナーによって異なるのかを明らかにし、援助配分決定研究に新たな光を照射させることであった。3年間にわたる研究によって、主に次の3つのことを明らかにした。 第一に、当初の予定通り大規模3次元のパネルデータを使用して、米国との同盟関係がDAC加盟国の援助分配に影響を与えていることを明らかにした。第二に、日本を対象として、途上国の外交訪問が援助増大に貢献していることも実証した。そして第三に、日本のODA大綱によって、実際の日本の政府開発援助が変化したか否かを歴史・計量分析によって明らかにした。
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