研究課題/領域番号 |
18K01472
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
六鹿 茂夫 静岡県立大学, 国際関係学研究科, 国際関係学研究科附属広域ヨーロッパ研究センター客員研究員 (10248817)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 欧米・ロシアの新冷戦 / 米中新冷戦 / 冷戦後欧州国際秩序 / 狭間の地政学 / 価値外交 / 体制間競争 / ハイブリッド戦争 / 欧州とインド・太平洋の安全保障リンケージ |
研究成果の概要 |
本研究は、欧米とロシアの新冷戦について、原因、過程、構造、グローバル国際政治の観点から分析し、以下なる成果を得た。1)原因については、国際社会の基本的特徴、冷戦後の欧州国際秩序、東欧とロシアの安全保障観の矛盾、諸大国の「狭間の地政学」、欧米の価値とロシア文明の相克、体制間対立、リーダーシップなど多岐にわたること、2)新冷戦への重大な転換期は2003年秋から2007年であること、3)新冷戦の特徴は多極構造および経済・技術を含む多次元な競争にあること、4)グローバル政治では、欧米とロシア、中露、米中、中欧の複雑な関係軸に加え、欧州とインド・太平洋の安全保障リンケージが明らかにされた。
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自由記述の分野 |
広域ヨーロッパ国際政治
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的な意義は、ロシアのウクライナ侵攻がロシアの国内要因から説明されることが多いなかで、本研究は、欧米とロシアの新冷戦を冷戦終焉後30年に及ぶ欧州外交史の観点から、広域ヨーロッパの分析枠組みにおいて包括的に考察した点にある。そこでは、冷戦後の欧州国際秩序、バルト海から黒海へと至る西欧とロシアの狭間の地域をめぐる国際政治の連続性(諸大国間権力闘争)と非連続性(EU/NATOの価値外交とロシア文明の相克)、ロシアのディアスポラ政策やプーチン政権の権力基盤の推移など多次元に焦点をあてた。社会的意義は、かかるアプローチを介して、国際政治を複眼的に見る必要性とその具体的な枠組みを提供した点にある。
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