近年のキューバは「革命外交」を「価値の外交」としてとらえ直している。このことは革命外交が本質的に変容したことを意味するのではない。むしろその本質は継続している。国内経済が悪化してもなお対アフリカ医療支援を継続したことや、ウクライナ侵攻にあたって、軍事的手段による解決を批判しつつ対ロ制裁には反対するという姿勢は革命外交の本質を示している。ナショナリズム、国際主義、反覇権主義、人道主義、平和主義、多国間外交、ソフトパワー外交(災害、医療、文化、スポーツ等)が革命外交の軸であり、さらに政府による公式外交だけでなく、民間団体との草の根外交が、単なる国際交流以上に、第二外交チャネルとして機能している。
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