研究課題/領域番号 |
18K01476
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 同志社大学 (2022) 広島市立大学 (2018-2021) |
研究代表者 |
倉科 一希 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (00404856)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 核共有 / NATO / 西ドイツ / アメリカ / 信頼性 |
研究成果の概要 |
本研究はまず、1965年から66年にかけての核兵器共有をめぐるNATO内の論争が収束する過程を解明した。ここで確認できたのは、先行研究が主張する1966年春以降も、米・西独両政府には戦力共有方式を支持する声が根強った。ただしこのことは、米・西独両政府が戦力共有方式の実現を重視していたという意味ではない。米国政府は戦力共有方式の受け入れという譲歩を、国際収支など他の問題を交渉する際のカードとして利用することを想定していた。一方の西独政府内にも、戦力共有方式に慎重な声があり、この問題の相対的重要性は低下していた。
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自由記述の分野 |
国際政治
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義として、1960年代の米欧関係における重要な課題であった核兵器共有の 推移を解明し、当時の米欧関係の有様を明らかにしたことがあげられる。また、この具体的事例を通じて、同盟における信頼性、とくに核抑止を基盤とする同盟関係における信頼性に関する理解を深めたことがあげられる。これは必要な際の核兵器投入を保証する安全供与(「見捨てられ」への対応)に留まらず、信頼性の確保が過度に敵対的なものとならないように保証する(「巻き込まれ」への対応)ことまで視野を広げる議論となった。 社会的意義として、昨今の外交上の争点になっている核共有について、欧州における歴史的展開を解明した点があげられる。
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