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2019 年度 実施状況報告書

多角化企業による評判形成と統合ブランド戦略についての理論と実験

研究課題

研究課題/領域番号 18K01526
研究機関関西大学

研究代表者

小林 創  関西大学, 経済学部, 教授 (10347510)

研究分担者 七條 達弘  大阪府立大学, 経済学研究科, 教授 (40305660)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード協調行動の創出 / 長期的関係 / 繰り返しゲーム実験 / 多市場接触 / 多角化企業
研究実績の概要

本年度は、実験データの解析に焦点をあてて研究を行った。具体的には、各被験者の異質性を考慮した戦略の推定を行った。その結果として、実験の処置に応じて、同質性を仮定した場合に近いケースと、明らかに異質性が存在するケースが存在することがわかった。特に、常に非協力的な行動を採用する被験者が一定程度存在することがわかった。これによって、当初想定したよりも、協力行動の創出が理論で想定したよりも抑制されてしまうことが、本年度の分析により判明した。
また、複数均衡が繰り返しゲームには存在するが、その中での実験における均衡の選択にポテンシャル関数を利用した均衡選択の可能性を探索した。特に3人以上のゲームにおいては、先行研究の中で利用されてきたリスク支配基準とポテンシャル関数を利用した選択基準とでは異なることが知られているので、この違いがどの程度実験結果に影響を与えるかについて、様々なパラメーターのものとでシミュレーションを実施した。
さらに、昨年度に掲げた確率認知の歪みについては、先行研究においては様々な定式化の方法が存在している。その中で、Prelec (1998, Econometrica)によるものが本研究の中で利用できるのではないと知見をえた。そこで、まずはいくつかの数値例をつくり、理論分析を実施した。しかしながら、一般的な主張につながるような成果はえられておらず、次年度以降において、さらに分析を進めることで、そうした一般性のある主張を導き、そのもとで実験データの説明を試みたい。
最後に、英国のダラム大学の亀井氏と共同で、本研究の実験結果を踏まえて、割引因子の異なる環境での実験研究の設計を行った。これに基づいて次年度以降に実験を実施していく計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験結果の解析が大幅に進んだことと、均衡選択について新たな視点をえたため。また、本研究の遂行過程で得られた知見をもとにした、国際的な共同研究の可能性が生まれてきたことによる。

今後の研究の推進方策

今後の推進の方策としては、本年度の分析結果を反映させた新たな理論を構築することが考えられる。また、その結果を踏まえて、新たな実験を実施し、より実験結果を説明できるようになるかを確認したい。

次年度使用額が生じた理由

追加的な実験の実施を予定していたが、今般のコロナウイルスの影響で実験施設が利用できなかったことと、データ分析や理論的な検討が大きく進んだので、そちらを優先したことによる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [国際共同研究] ダラム大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      ダラム大学
  • [雑誌論文] Does cheap talk promote coordination under asymmetric information? An experimental study on global games2020

    • 著者名/発表者名
      Duan Jieyi、Kobayashi Hajime、Shichijo Tatsuhiro
    • 雑誌名

      Journal of Behavioral and Experimental Economics

      巻: 86 ページ: 101519~101519

    • DOI

      10.1016/j.socec.2020.101519

    • 査読あり

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公開日: 2021-01-27  

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