本研究の主要な成果は二冊の単著の刊行である。一方の単著『自由原理』では、福祉国家の新たな理念として自生的な善き生(ウェルビイング)の理論を展開した。他方の単著 Liberalism and the Philosophy of Economics では、その背後にある「自生化主義」などの独自の思想理念を英語で発信した。いずれも人間が自分自身のウェルビイングについて無知である現状から出発して、いかなる善き生と善き社会の構想を獲得できるかについての試論である。この他に関連する実績として、単著『消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神』では消費スタイルの観点から新たにウェルビイングを捉えなおした。
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