本研究は、これまで経済学史の中では、レーニンのマッハ批判以外の文脈で紹介されることはなかったエルンスト・マッハを中心にして、19世紀末から20世紀初頭のドイツ語圏での知的相関関係を整理することを目的としたものである。マッハの経験主義が、ウィーン学団の論理実証主義とポパーの反証主義を経てフリードマンの実証主義につながることは確認されたが、当初考えていたカール・ポランニーへの影響は限定的であり、当時流行してたマッハの方法に若き日のカール・ポランニーが一時的に関心を持ったという以上のものではないことが明らかになった。
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