これまで多くの先行研究において、景気変動がもたらす経済厚生的な費用は非常に小さく、景気循環を政策的に制御したとしても、その便益はわずかであると指摘されていた。これに対して、本研究の結果は、モデル不確実性を考慮すると、景気変動がもたらす経済厚生的な費用は従来考えられていたものより大きくなることを示している。この可能性は、これまで米国に対してのみ知られていたが、本研究によって広範囲の国において成立することが明らかとなった。さらに、経済発展度とモデル不確実性の関係は新たな知見といえる。いずれの結果も、モデルに基づく政策評価において、モデル不確実性を考慮することの重要性を示唆している。
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