研究実績の概要 |
研究課題1については、二段階操作変数推定ならびにランダム係数モデルへの拡張を軸とする大幅な改訂をおこない、2019年5月に改訂版を脱稿した(Norkute, Sarafidis, Yamagata and Cui, 2019)。同版はJournal of Econometricsに掲載される予定である。課題1の派生研究であるクロスセクション相関、ランダム係数、時系列相関、不均一分散にロバストな分散・共分散行列を導出した第一草稿を改訂し、Bai (2009)推定量を新たに取り扱った(Cui, Hayakawa, Nagata and Yamagata, 2019)。さらなる関連研究として、より一般的なファクターモデルの新しい推定方法と検定方法を東北大学植松准教授と共に開発した(Uematsu and Yamagata, 2019、2020)。 研究課題2では継続して研究を遂行中であり、本年度に第一草稿脱稿を目指している。 課題研究3では、第一年目に収集・加工したデータ分析を行った。さらに直近までの国別化石燃料価格の収集を行い、価格不均質なグローバル・モデルの構築と推定をおこなった。
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今後の研究の推進方策 |
課題1: Norkute, Sarafidis, Yamagata and Cui (2019) で提唱されたアプローチを二つの研究に発展させ、両研究の第一草稿脱稿を目指す。一つ目は、同アプローチを静学パネルモデル推定・検定に応用し、Pesaran (2006), Bai (2009), Westerlund and Urbain (2015)などで提唱された既存の代表的な推定・検定量との漸近的性質を比較する。二つ目は、同アプローチを時空間モデルの推定・検定に応用し、統計量の漸近的性質を導く。同時並行して、前記した完了している草稿の改訂作業を行う。課題2,3については、第一草稿脱稿を目指し研究を進める。
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