本研究は,旧ソ連・中東欧の移行経済諸国を対象に,主観的厚生(SWB)や政治経済に対する主観的認識の形成要因を明らかにすることを目的とした。要因としては,経済的要因にとどまらず,社会的信頼(social trust)を含めて実証的に検証することを意図していた。主要なデータとしては、欧州復興開発銀行(EBRD)と世界銀行が移行経済諸国約30か国を対象に3度に渡り実施した大規模調査のミクロ・データを用いた。結果としては,社会的信頼や,昨今の経済変化(移民や貿易環境の変化)が人々の認識に与える影響は大きいものの,地域内の異質性も存在することが明らかとなった。
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