研究課題/領域番号 |
18K01560
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 秀夫 東北大学, 経済学研究科, 名誉教授 (40133897)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 連結財 / ケインズ的失業 / F. D. Graham. / 多数国多数財 / リカーディアンモデル / 非自発的失業 / 複数均衡 / 数量調整 |
研究実績の概要 |
申請課題は F.D.Graham の研究に着想を得ているものであるが、彼の研究は忘れ去られた状態にあることから、その再評価を行い、その成果を英文ジャーナルに投稿することで認知を得ることを目指した。その成果(Graham's Theory of International Values Revisited: A Ricardian Trade Model with Link Commosities)が Journal of the History of Economic Thought 誌に掲載されることとなり(2020年3月受理)、この目的は達成された。 次いで、ケインズ的失業を伴うリカーディアン貿易モデルを世に問うべく、A Two-country, Three-commodity Ricardian Trade Model with Keynesian Unemployment と題する論文を Metroeconomica 誌に投稿した。最初の審査結果は「修正の上掲載」ということでオリジナリティがあると認められた。修正版を再投稿し、現在 under review である。申請課題の目指す最終モデルは複雑なので、まず簡易版で理解してもらうべく執筆した。 さらに、A review of the history of international trade theory with a focus on link commodities というタイトルの論文を執筆し、European Journal of the History of Economic Thought 誌に投稿し、現在 under review である。われわれのモデルの特徴である連結財は Graham 以前にも認識されていたが、それを掘り起こして、貿易理論史の中に正当に位置づけるべく執筆した。 現在は、A Multi-country, Multi-commodity Ricardian Trade Model with Keynesian Unemployment を執筆しており、来年度4-5月中に英文ジャーナルに投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度には3本の英文論文を執筆し、英文ジャーナルに投稿した。うち、1本は受理されて現在in printであり(タイトル:Theory of International Values Revisited: A Ricardian Trade Model with Link Commosities, 掲載誌:Journal of the History of Economic Thought, 2020年3月受理)、1本はrevision versionがunder reviewである。残りの1本は投稿したばかりであり、under reviewである。
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今後の研究の推進方策 |
現在、4本目の英文論文を執筆中であり、4~5月中に投稿予定である。できるだけ多くの読者に読んでもらいたいという考えから、これまでの3本はすべて異なるジャーナルに投稿してきた。4本目もそうするつもりである。研究会での報告を行った上でと考えていたが、新型コロナの影響で研究会開催がままならない状態にある。収束するかどうかをにらみながら、最善を尽くしたい。、
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は僅少であり、ほぼ予定通りの使用額となっている。 新型コロナの影響で研究会や学会が中止になることが多いため、旅費として想定していた分が使用できるかどうか不明であるが、書籍購入費などの物品費予算が不足気味なのでそれに充当することも考えている。
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