最終年度である本年度においては、研究の総括を行った。本研究課題の研究成果として国際学術雑誌にこれまで掲載された論文のうちの4本(Energy Journalに2本、Energy Policyに1本、Journal of the Operational Research Societyに1本)を含めて、エネルギー市場と環境政策に関する近年の100本以上の学術論文をカバーする展望論文を執筆した。展望論文の中で、本研究課題による研究成果の学術的貢献を位置づけるとともに、さらにこの分野における今後の研究課題について論じた。特に、エネルギー市場と環境政策の分野においては、大きく2つの研究の流れがあり、経済学的手法によるアプローチとオペレーションズリサーチ・工学的手法によるアプローチとに分かれる。しかし、この2つのアプローチには一長一短があり、両者から得られる研究結果にギャップが見られることが多い。最適環境政策を検討する上で、2つのアプローチを融合していく研究が必要であることを論じた。
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