研究課題/領域番号 |
18K01572
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
篠崎 彰彦 九州大学, 経済学研究院, 教授 (00315045)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 情報通信技術(ICT) / モビリティ / 人材の国際移動 / ネットワーク理論 / オフショアリング / Leapfrogging / リーマンショック / 対米サービス貿易 |
研究実績の概要 |
・2年度目にあたる2019年度は、初年度の成果を踏まえて、構築した理論的枠組みとデータベースを用いたリーマンショック前とその後に二期区分した実証分析を本格化し、暫定的結果の整理を行った上で関係する専門家や研究者らとのディスカッションを実施した。 ・実証分析では、2008年のリーマンショックを契機とするグローバルな経済環境の変化を視野に入れ、その前後で情報技術革新と人材の国際移動がグローバル経済に及ぼす影響とその経路がどう変化したかの解明を中心に行った。 ・具体的には、パネルデータの解析により、諸変数の係数と説明力がリーマンショック前後の期間でどう変化したかを、また、グラフィカルモデリングの手法による分析では、諸変数間の影響の経路がどのように繋ぎ変えられたかを検証した。モデルの特定化や推定など高度なプロセスについては、研究協力者の助言を得ると同時に、作業の一部は大学院生を臨時的に雇うなどして効果的な研究推進に取り組んだ。 ・また、理論的枠組みの再構成では、ネットワーク理論を軸に、途上国を視野に入れた様々な経済発展論と情報化の関係性について考察を行い、情報通信技術のグローバルな普及に関する構造変化点の分析にも新たに取り組んだ。 ・上記の暫定的な分析結果をもとに、国内、海外の研究者、政策当局者、企業家など国境を越えた経済活動の実態面に詳しい関係者の意見を聴取し、実証分析で得られた結果の解釈と追加的に取り組むべき課題の洗い出し等を行った。 ・これらの活動で得られた知見はディスカッション・ペーパーに取りまとめると共に学会の研究会等で報告を行い、最終年度のとりまとめに向けて基盤を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・初年度に実施した情報処理機器の整備、データベースの整備、理論的枠組みの再構成を踏まえて、研究の目的であるリーマンショック前後の変容について、パネルデータを用いたモデルの推定とグラフィカルモデリングによる経路の解明を行い、最終年度に向けて研究の核となる分析基盤を調えることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
・今後は、これまでの研究で得られた暫定的な成果を踏まえて、本研究課題の全体を取りまとめる作業に集中するとともに、研究のさらなる発展に向けた研究課題の洗い出しを行う。 ・全体の取りまとめに際しては、専門人材の臨時的な協力等を得て、英文による対外発信が可能となるよう鋭意取り組む。 ・また、研究成果を所属学会のみならず、産業界や政府等で開催される各種会合でも積極的に発信し、学術界を越えて広く社会的関心を高めるための取り組みを精力的に行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
・情報処理機器の仕様(スペック)に関連して、研究協力者とデータ処理の方法等分析作業の調整を続ける中で、新型コロナウィルスの拡大に伴う納期の遅れが見込まれる状況になったため、最終的な機器の選定・購入が次年度に繰り越されることとなったもので、状況が整い次第、早期に購入し使用する計画である。
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