1980年代後半以降、多くの日系企業がタイを含む東南アジアに進出した。近年のタイの経済成長(賃金上昇)、周辺国との交通網の整備などにより、生産工程の一部をタイの近隣国に移転し、効率的な生産活動を行うようになったと言われている。本研究では、主に自動車産業を対象として、貿易額や貿易量を中心とする経済統計を用いてそうした活動がどの程度進んでいるかについて、欧州のドイツやその周辺国との関係と比較しつつ、分析を行った。その結果、タイを中心とする拡大メコン地域でそういった分業が進んでいるものの、欧州と比べるとまだ十分でないことを明らかにした。
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