2020 年度実施状況報告書

収入の季節性と農家の栽培技術の選択行動：インドネシアの事例分析

研究課題

研究課題/領域番号	18K01577
研究機関	九州産業大学
研究代表者	中村和敏九州産業大学, 経済学部, 准教授 (40304084)
研究期間 (年度)	2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード	インドネシア / アブラヤシ
研究実績の概要	新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が発生し、2020年度の前半は、当初参加を予定していた国際学会（Indonesian Regional Science Association （IRSA)　International Conference）が完全な中止となったため、研究発表を断念せざるを得なくなった。急きょ2020年度後半に実施予定であったインドネシアのバンテン州でのフィールド調査の準備を前倒しで開始することにした。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が想定を超えて継続したため、2020年度のフィールド調査を断念し、2020年度後半は、手元にある資料およびデータの分析を実施した。まず、インドネシアのアブラヤシ栽培におけるフィールド調査の対象地の位置付けをマクロデータを用いて分析し、調査対象地のある州と他の州を比較し、両者の共通点と相違点について考察した。また、調査対象地を同じ州内の他の地域とを比較し、調査地の経済構造の特徴と農業部門におけるアブラヤシ生産の相対的重要性を明らかにした。さらに、インドネシア中央統計庁（Badan Pusat Statistik)から利用許可を受けている農業センサス（2013年）のミクロデータを用いて、アブラヤシの生産構造の地域間における相違を分析した。この生産構造の地域間分析においては、アブラヤシ生産者の資本種類（国営、民営）、資本規模（大規模、小規模）、労働者数、農業資材投入量（化学肥料、農薬、除草剤）、などに着目しながら、多角的な考察を行った。また、これまでに実施したフィールド調査の結果をまとめ、考察をおこなった。
現在までの達成度 (区分)	現在までの達成度 (区分) 4: 遅れている理由 2020年度は、7月に開催される予定であった国際学会、Indonesian Regional Science Association （IRSA)　International Conference への参加と研究発表を計画していたが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、大会そのものが中止となった。また、研究計画上において重要な意味を持つインドネシアでのフィールド調査も断念せざるを得なかった。このため、計画していた研究内容を実施できなくなり、研究計画の再調整を行うことになった。
今後の研究の推進方策	新型コロナウイルスの感染拡大のため、現時点においても、インドネシアでフィールド調査を実施できる見込みは立っていないが、フィールド調査が実施可能になったときに、すぐに対応できるように準備を進めておく予定である。また、フィールド調査が実施できない場合でも、これまでに収集した資料とデータを活用して、当初の研究課題について、異なるアプローチで考察・分析を行っていきたい。
次年度使用額が生じた理由	新型コロナウイルスの感染拡大のため、予定していた国際学会での研究発表とインドネシアでのフィールド調査を実施することができなかったため。2021年度は、新型コロナウイルスの感染状況を見極めながら、可能な限り当初計画に沿った研究内容を実施していく予定である。