研究実績の概要 |
本研究では,以下の5つの研究課題に取り組むことを予定している.【課題1】総務省の全国消費実態調査(全消調査)と二酸化炭素排出量の推計に関わる実態調査(家庭CO2調査)のデータを入手・分析し,どの様な世帯がどの様な家電にどれ位の電気を利用しているか,どの様に節電行動を行っているかを明らかにする.【課題2】耐久消費財の省エネ化がどれ位世帯の電力消費の削減に貢献したか,省エネ技術の影響評価を行う.【課題3】全消調査とCO2調査のデータ分析の結果を人口将来予測と組み合わせることで,家計部門のエネルギー消費が将来どの様に変化していくか,人口動態の影響予測を行う.【課題4】エネルギー課税の逆進性の緩和策を提案する.【課題5】同一世帯が電気料金の変化に応じて,電力使用量をどの様に変化させたかについて調査する.
課題1について,Energy Policy, Economic Analysis and Policyに成果論文を掲載した.課題2について,J. of Cleaner Production, Research in Transportation Economics, Environmental Economics and Policy Studiesに成果論文を掲載した.課題3については,環境経済成果研究にプレリミナリーな成果を掲載し,共同研究者にカナダの人口学会で研究成果の報告をして貰った.課題5に関連した論文2本が環境科学会誌に採択されている.
一連の研究を通じて家計のエネルギー消費の実態をよりクリアに示すことができており、家計部門の省エネ化のために有効な知見が得られている.
|