研究課題/領域番号 |
18K01579
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
荒川 潔 大妻女子大学, 社会情報学部, 准教授 (40453493)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 電気自動車 / 再生可能エネルギー |
研究実績の概要 |
近年、太陽光発電などの再生可能エネルギーや電気自動車の活用が環境政策の重要課題となっている。本研究は、スマートグリッドと電気自動車との効率的な接続により太陽光発電と電気自動車の双方の普及・活用を目指す政策の効果を解明する。そのため、スマートグリッドを効率化する税制や料金体系に関する経済理論を構築し、太陽光発電と電気自動車の普及・活用のための政策立案と、その効果の実証的分析を行う。 H30年度は、太陽光発電システムの普及を促す政策の効果の解明を目的として、太陽光発電システムの需要構造を分析した先行研究を概観することで、効率的な普及を実現するための要因を把握するとともに、普及政策の効果を検討した。その結果、太陽光発電システムへの投資には大きな不確実性を伴うため、固定価格買取制度などの固定的な金銭的インセンティブとともに、リースなどの不確実性を低下させる取引形態の普及促進が効果的であることがわかった。また、太陽光発電システムの導入におけるピア効果のため、その普及においてコミュニティーの役割が重要視されていることもわかった。この成果については、論文「太陽光発電システムの需要構造と普及政策の効果」にまとめ、大学紀要に掲載した。また、電気自動車とガソリン車が混在する過渡期の最適な自動車税制の解明を目的とし、2006年から2015年までのデータを用いて、Berry et al. (1995)のランダム係数ロジットモデルにより自動車の需要構造を分析し、得られた需要構造をもとに、走行距離に応じた課税が導入された場合のシミュレーションを行った。この成果を論文「Consumer Valuation of Future Costs versus Purchase Prices: A Study of Japan's Auto Market」にまとめ、日本経済政策学会の国際会議で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
太陽光発電や電気自動車関連データの収集・整理作業を国会図書館や業界団体などで開始したが、都道府県レベルのデータの入手に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
太陽光発電と電気自動車との接続に関する文献調査を行うとともに、実証実験に参加することで太陽光発電と電気自動車との接続の実態と課題の把握を行う。また、太陽光発電や電気自動車関連データの構築を行う。そして太陽光発電と電気自動車との接続に関するモデルを構築し、太陽光発電と電気自動車の双方の普及・活用を目指す政策の効果を解明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
再生可能エネルギー関連データの入力作業が完了していないため、次年度使用額が生じた。
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