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2019 年度 実施状況報告書

規制産業における競争政策と社会的インパクトの計量分析

研究課題

研究課題/領域番号 18K01586
研究機関法政大学

研究代表者

明城 聡  法政大学, 経済学部, 准教授 (70455426)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード都市ガス産業 / 民営化 / 参入・退出
研究実績の概要

①前年度に引き続き、都市ガス産業における参入・退出行動の動学モデルの推定を行っている。特に1990~2000年代に行われたガスシステム改革によって導入されたガス託送制度(一般ガス事業者上位4社は1999年、それ以外は2004年より義務化)が地域別の参入・退出行動に与えた影響を明らかにするために、都市ガス事業者の意思決定を説明する構造モデルを構築して、地域別×企業×年度のデータから動学パラメータの推定を試みている。現状では理論モデルのスクラップ&ビルドに多くの時間をかけており、都市ガス産業の市場構造をうまく説明可能かつ、現実的な時間内で推定可能な動学モデルの構築を進めている。
②1990年代以降、多くの地方自治体で公営ガス事業の事業譲渡による民営化が行われたが、この事業譲渡に関して生存時間分析を行った研究論文"Survival Analysis of Public Gas Utility Firms in the Japanese City Gas Industry"を執筆した。この論文は2020年度内にシュプリンガー社から出版予定の英文図書「Privatization of Public City Gas Companies in Japan(Kobe University Monograph Series in Social Science Research)」の第2章に掲載される予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

都市ガス事業者の参入退出に関する動学モデルの構築に予想以上に時間がかかっており、安定的にパラメータ推定が行えるプログラミングの作成までに至っていない。詳細な企業行動や市場構造をモデルに取り込むことで説得力の高い構造モデルが推定できるが、一方で次元の呪いの問題や推定の安定性などの問題が起きてしまう。そのため、両者のバランスを取りつつ現実的なレベルで推定可能なモデル構築が重要となる。

今後の研究の推進方策

引き続き、都市ガス事業者の参入退出に関する動学推定を進めていく予定である。理論モデルの構築とプログラム作成・修正の繰り返しによって、安定的な動学モデルの構造推定を目指す。時間とともにノウハウが蓄積されるため、集中的に時間をかけることで研究の進捗スピードを高めていきたい。
また、上記の研究と並行して、都市ガス需要者のスイッチングに関する研究にも着手する予定である。今年度は消費者行動に関するデータを入手するため民間調査会社の提供するモニターサービスを利用してアンケート調査を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

動学モデルの推定に必要な計算機等の購入を後ろ倒しにしたことによって大幅に予算が余ることになった。次年度にはこれら必要機器の購入費用とアンケート調査費用に予算を計上する予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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