研究実績の概要 |
平成30年度は、研究課題の下で研究計画に従って、いくつかの課題の研究をおこなった。研究業績の一部は、著書では、Binh Tran-Nam, Makoto Tawada & Masayuki Okawa eds. “Recent Developments in Normative Trade Theory and Welfare,” Springer, 2018 June. また、論文では“A model for liberalizing nursing and trade,” by Masao Oda and Masayuki Okawa, Japan and the World Economy 46, June 2018, 50-55、等である。 研究課題には、いくつかの研究テーマが含まれているが、現在は、医療サービス・健康産業における医療分野の高度専門家〈医者、看護士など〉の海外からの移民の受け入れの、所得分配や経済厚生に及ぼす影響を分析している。その研究成果の一部は、“A model for liberalizing nursing and trade,” by Masao Oda and Masayuki Okawa, Japan and the World Economy 46, June 2018, 50-55. で公表された。しかし、上記文献では、医療サービスが、労働供給に与える影響が充分に考慮されていない面があり、その点をさらに修正、拡張するための分析を行っている。 消費に時間のかかる財への最適物品税の理論的研究が、Kleven (2004, J Pub. E), Boadway and Gahvari (2006, J Pub. E), Gahvari (2006, J Pub. E)などによりなされているが、いずれも価格と予算が所与もので最適消費を行う、標準的な消費者行動のモデルに基づいており、財の生産サイドはまったく無視されている。このモデルに財の生産サイド(貿易財と非貿易財)を導入した一般均衡分析に拡張し、最適消費税とさらに貿易産業における輸入関税とその自由化の効果を含めて分析を進めている。
|