前年度に作成した研究論文"Strategic aspects of bundling to prevent information acquisition"を2023年5月に国際学術雑誌International Journal of Industrial Organization (IJIO)に投稿し、8月に「改訂要求」の返事を得た。そのため、8月以降、共著者と月1回打ち合わせを行い、改訂作業を続けた。レフェリーコメントに従って分析を拡張させた結果、改訂前の論文の主要メッセージを強める結果を得た。具体的には、「参入企業への知識スピルオーバーがないときには既存事業者が抱き合わせ販売をする誘因はないが、参入企業が知識スピルオーバーを通じて関連市場に関する情報を獲得するときには既存事業者が抱き合わせ販売をする」ような参入費用の領域を見つけることができたことである。この結果により、論文のメッセージが強まり、さらに分析は簡単化できるので、2024年5月下旬までには再投稿をする予定である。 もう一本の研究論文"Excessive formation of joint ventures with strategic non-investment"も昨年度投稿した学術雑誌Journal of Institutional and Theoretical Economicsの改訂要求に従い、改訂作業を続けている。未だ改訂作業途中であるが、今までの理論モデルを情報通信ネットワーク整備モデルに特化することによって分析を簡単化することができ、「分析を簡単化せよ」というレフェリーの要求に沿った方向になったと感じている。2024年中に再投稿する予定である。 以上の二本の研究論文はいずれも改訂中であるが、令和6年度中に国際学術雑誌への掲載を期待している。
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