研究課題/領域番号 |
18K01598
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
水野 敬三 関西学院大学, 商学部, 教授 (40229703)
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研究分担者 |
堀 敬一 関西学院大学, 経済学部, 教授 (50273561)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 複数市場 / 垂直二部門 / 抱き合わせ販売 / 参入阻止 / 情報獲得 / インフラ共同整備 / 品質改善投資 |
研究成果の概要 |
この研究では次の二つの分析結果を得た。 [1] 既存インフラ企業による抱き合わせ販売は、参入企業の情報獲得を阻止することによって独占的地位を保持することができる。さらに、そのような情報獲得阻止の抱き合わせ販売は社会経済厚生を悪化させる。 [2] インフラ共同整備における各企業の品質改善投資誘因は個別インフラ整備のときよりも弱い。その結果、社会経済厚生上の視点から見てインフラ共同整備が過剰に実現されることがあり得る。とりわけ、企業が品質改善投資を戦略的に行うときにインフラ共同整備の過剰発生事象は起こる。
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自由記述の分野 |
産業組織論、公共経済学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、複数市場モデルと垂直二部門モデルの基本枠組を用いて多様な形態を持つ企業間での競争に注目する。市場融合を反映した複数市場モデルの枠組では、一括販売戦略や複数市場にまたがる企業間提携など企業戦略も多様化する。複数市場モデルの分析は、企業戦略の拡張や需要の相互依存関係を通じて、規制政策の設計に必要な新たな要因を加える。 垂直二部門モデルに注目する理由は、小売部門では短期戦略、卸売部門ではインフラ投資などの長期戦略が重要だからである。インフラ産業における規制・競争政策に関する経済厚生上の評価を考える際、企業の長期的戦略誘因の効果を明示的に分析しなければならない。
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