| 研究課題/領域番号 |
18K01600
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| 研究機関 | 福岡大学 |
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研究代表者 |
栗田 高光 福岡大学, 経済学部, 教授 (20454928)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 金融政策 / 為替政策 / マイナス金利 / 仮想通貨 / 時系列分析 / 非線形性 |
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| 研究実績の概要 |
平成３０年度には、研究目的および研究実施計画を踏まえ、以下のような研究を実施し、所要の成果を得た。
本研究においては、国際比較を重視しつつ、計量経済学の様々な手法を用い、関連する種々のデータを分析することで、研究目的を達成していくこととしている。このため、まず、「共和分多変量自己回帰モデル」(Cointegrated Vector Autoregressive Model, 以下CVARモデルと略記)の枠組みを活用し、経済現象に内在する非線形性をモデル化するための手法を様々な観点から検討した。具体的には、CVARモデルの中の共和分関係の中に確定的な非線形トレンドを導入し、この非線形モデルの枠組みで共和分パラメーター行列のランクを検定する手法を考案した。検定統計量の漸近分布を導出するとともに、検定を実際に行うために必要な分位点をコンピューター・シミュレーションにより計算し、分位点表を作成した。また、考案した検定手法を実際の経済・金融分野の時系列データに適用し、その有用性を確認した。こうした研究に加え、時系列データ内に観測される構造変化を階段関数で捉える形でCVARモデルを定式化し、このモデルの利用によって、経済学的な解釈を比較的容易に行える共和分関係をデータ分析から見いだせることを明らかにした。こうした諸研究は、金融政策に関して、データ内の非線形性に配慮した計量経済分析を行う上で、極めて有用な分析手法を提供するものである。また、ノルウェーなどのマクロ計量経済分析の研究者と共同し、北欧諸国に焦点をあてた計量経済分析のための準備を進めているところである。
現在、これまでに得られた研究成果を、複数の論文に取りまとめている。完成した論文の一部は、査読付き英文ジャーナルに受理され出版された。他の論文も、完成次第、査読付き英文ジャーナルに順次投稿する予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、非線形計量経済モデルに関する研究が進んでおり、また実際の経済・金融の時系列データの分析に関しても研究が進展しているため。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、非線形計量経済モデルに関する研究を進展させるとともに、金融・為替政策に関連する時系列データの実証分析をさらに多面的に行っていく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、既存の研究設備等を用い研究を遂行できたため、次年度使用額が生ずることとなった。今後は、既存の研究設備費が老朽化することを踏まえ、研究設備の更新などを行っていく予定である。
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