| 研究課題/領域番号 |
18K01611
|
|---|
| 研究機関 | 岡山大学 |
|---|
研究代表者 |
張 星源 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (10304081)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
| キーワード | 特許訴訟 / 国際比較分析 / 計量分析 |
|---|
| 研究実績の概要 |
（１）これまで収集した日本と中国の特許訴訟判例情報の補足と整理及び訴訟に関連する当事者経営情報と特許情報の収集・整理を行うと同時に、日本の無効審判に関する情報追加を行った。さらに、スタンフォード大学のStanford NPE Litigation Datasetを利用することを検討し、アメリカでの特許訴訟に関わる判例データ整理を行っている。(２）中国知識産権局に登録されている企業間の特許ライセンス契約情報及び日本の上場企業有価証券報告書に記載されている「経営上重要な契約」に秘められた特許ランセンス契約情報を抽出し、企業間の特許ライセンス行動と特許訴訟との関連性を分析するためのデータ整理を行った。(３）必須特許の認定および管理に携われている国際標準策定機関(SSOs)の行動を分析した論文”IPR policies and determinants of membership in Standard Setting Organizations: a social network Analysis”を国際専門誌に投稿し、採用されたことで、必須特許に関する特許訴訟分析を行うためのデータ整理と分析の事前準備ができている。(４）引き続き、一部の中間研究成果とした日本と中国における特許侵害訴訟裁判アウトカム決定要因分析を"A Comparative Empirical Study on Outputs of Patent Litigation Lawsuits between China and Japan"にまとめ、国際専門誌に投稿している。こうしたことにより、マイクロデータに基づく特許訴訟に関する比較分析研究に企業の特許ライセンス行動や国際技術標準形成における必須特許開示のあり方という新たな視点を取り込み、企業の特許訴訟戦略に関してより広しい視点での比較分析は可能となる。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ収集・整理、弁護士や研究者への聞き取り調査及び実証分析に関しては中間的な成果を挙げたが、より新しい視点での分析用データ整理等について時間が要する一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、予定されている国際学会への報告が中止されたことや、「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」等に伴い、研究活動が制限されるために、研究の進捗状況は当初の計画に比べやや遅れている。
|
| 今後の研究の推進方策 |
（１）研究分担者としての新たなメンバーを迎え、理論分析及びソーシャルネットワーク分析を強化すること。
（２）引続き、アメリカ等の特許訴訟に関する判例データの収集・整理を行うこと。
（２）引続き、特許訴訟データベース構築を行い、特許の藪、特許ライセンス行動との関連に関する分析を実施すること。
（３）引続き、訴訟当事者に関するソーシャルネット分析等を試みること。
（４）加えて中間的な成果を研究論文にまとめ、国内外の学会や国際専門誌に投稿することを試みること。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
（１）実証分析等の高度な統計分析に耐えられるデータベースの構築を行うために、ソフトウェアの購入やデータ整理補助の人件費の増加が予想されること。
（２）引続き特許訴訟に携わっている弁護士や企業に聴き取り調査を行うため、また、国内外の学会での情報収集や中間的な成果を報告するための旅費が生じること。
|
