病床機能再編政策は、既存の各地域の病院・病床の機能を、少子高齢化に伴う病床の量的な必要量の変化と、疾病の変化に伴う質的な必要量の変化に対応することを目指した政策であった。期待される主な効果は病床の節減による財政健全化と医療人材の有効活用に必要なヘルスサービスの集積、そして医療の質の向上である。しかしながら、これらの目標はCOVID-19に伴い大きく後退したと言える。本研究では、今後の地域の病床機能再編に必要な観点として、ケアパスウェイ(患者の受ける医療サービス等の流れ)を可視化することを通じた効率化ツールを検討し、改めて、財政健全化や医療サービスの集積を目指すうえでの合理的な方策を検証した。
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