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2018 年度 実施状況報告書

貿易コストの識別と高度流通網の経済的評価

研究課題

研究課題/領域番号 18K01624
研究機関法政大学

研究代表者

武智 一貴  法政大学, 経済学部, 教授 (80386341)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード貿易コスト
研究実績の概要

本研究は、貿易コストと貿易パターンに焦点を当て、貿易コストと取引される財の品質の関係を明らかにした。基本的な貿易モデルから予測される取引パターンと、実際のデータで観測されるパターンが異なるため、基本モデルに財の品質の次元を考慮した形で分析する必要がある。品質を考慮したモデルを構築し、日本の地域間の取引データを用いて、より高い品質の財がより貿易コストが高い市場に供給される原因を実証的に明らかにした。高い品質の生産者が高い収益を得られるため高い貿易コストの市場に供給できるという品質ソーティングのメカニズムのみならず、従価型貿易コストでなく従量型コストが存在するために、高品質財が高コスト市場に供給されることを示し、貿易コストが引き起こす貿易パターンの相違を明らかにした。この点は基本モデルに財の品質や従量型貿易コストを導入する必要性を示唆している。また、国内輸送の主要手段である道路輸送に焦点を当て、事故という道路輸送に関わる主要な貿易コストの要因について、事故を引き起こすドライバーのタイプの相対的なリスクを明らかにした。特に飲酒運転・携帯電話使用下の運転・高齢者の運転というタイプに焦点を当て、飲酒運転の事故リスクや70歳以上の高齢ドライバーリスクがそうでない運転手よりも高い事を日本のデータを用いて実証的に示した。事故低減による貿易コストの削減に先端的な安全道路輸送システムの確立が求められている事を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまでの研究を海外学術雑誌に投稿し修正するプロセスを主に遂行していたため、本研究課題の実行がやや遅れている。しかしながら、新しいテーマである道路交通に関わる貿易コストの研究なども開始し、成果を挙げることができつつある。また、データについても研究の進捗から新たに必要となるデータがあり、その入手・コンパイルに時間を要しているが、この点も解決している。

今後の研究の推進方策

貿易コストに関わる重要な課題である密度の経済と集積の影響について、新しいデータと海外の研究者との共同研究で、新しい成果が挙げられる事が考えられるため、その新しいテーマのモデル化とデータ構築を共同で行う予定である。また、貿易コストに関して貿易政策の影響についても、WTOの下での貿易政策の効果を実証的に分析する予定である。そして、道路交通に関わる詳細な貿易コスト要因の分析についても、データの入手と並行して行う。

次年度使用額が生じた理由

学会報告や地理データの入手の前に、投稿論文の修正・道路事故データの分析を行っていたために、旅費等の支出が予定よりも少なく次年度使用が生じた。しかし、学会報告・海外からの共同研究者の招聘やデータの入手により、計画に沿った執行を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Drinking, Texting, or Getting Old: Which One is the Most Dangerous While Driving?2019

    • 著者名/発表者名
      Toru Fujiwara, Kazutaka Takechi
    • 雑誌名

      ICES Working Paper

      巻: 213 ページ: 1,6

  • [雑誌論文] Quality Sorting, Alchian-Allen Effect, and Geography2019

    • 著者名/発表者名
      Kazutaka Takechi
    • 雑誌名

      ICES Working Paper

      巻: 214 ページ: 1, 28

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公開日: 2019-12-27  

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