研究実績の概要 |
以下3本の論文が国際学術雑誌に掲載された.また,その他1本の論文が国際学術雑誌から改訂要求を受けており,既に再投稿済みである. 1本目は,イノベーション戦略の一つとして,トロッコ問題に類似した状況下における自動運転車の最適行動について,ある一般的な社会厚生関数を用いて分析を行った.結果として,政策的に望ましいとされるベンサム型の解が,極値となり得ることを理論的に示した.また,先行研究による調査結果と比較し,アメリカや一部の西欧諸国ではベンサム型の解が好まれる一方,インド・中国・日本を含むアジアやアフリカ諸国では,そうではない点を確認した.学術雑誌Engineering Applications of Artificial Intelligenceに掲載された. 2本目は,事例ベースモデルとピーク・エンドの法則を融合し,新製品を開発する企業に対するマーケティング意思決定支援システムを構築した.既存研究では,同一財を複数回購入する状況のみしか分析できなかったのに対して,本研究では,類似度関数を導入することにより,異なる財を複数回購入する状況を分析可能にした.日本のテレビ視聴率データをもとに検証し,本研究の手法の方が,予測精度が高まることを確認した.学術雑誌Expert Systemsに掲載された.1, 2本目の論文については,前年度の段階で改訂要求を受けていたため,それに対応する形で研究を進めた. 3本目は,プラットフォーム企業の個人情報収集と選択のパラドックスを融合し,企業の最適戦略を導いた.結果として,均衡における個人の不効用関数の曲率が重要であることを示した.学術雑誌AI&Societyに掲載された. 4本目は,相関があるものの異なる需要の不確実性に直面する2企業が,合併後にシナジー効果がある際,敵対的買収・友好的合併のいずれかを,いつ提案するか,について考察した.
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