研究課題/領域番号 |
18K01641
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研究機関 | 独立行政法人国際協力機構(研究所) |
研究代表者 |
相場 大樹 独立行政法人国際協力機構(研究所), 研究所, 研究員 (30813191)
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研究分担者 |
奥田 英信 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (00233461)
小田島 健 独立行政法人国際協力機構(研究所), 研究所, 上席研究員 (00817679)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | マイクロファイナンス機関 / 金融規制 / アウトリーチ |
研究実績の概要 |
2018年度は、10月に名古屋市立大学で行われた秋季日本金融学会で論文の口頭発表を行った。この論文では、カンボジアのマイクロファイナンス機関を対象に2017年4月に施行された金利上限規制がマイクロファイナンス機関の行動にどのような影響を与えたかについて分析を行った。 分析では、研究協力機関であるCammbodia Microfinance Association(CMA)からマイクロファイナンス機関の個別の財務データの提供を受け、データのクリーニングを行ったのち、規制導入による金融機関の行動の変化について先行研究に倣い分析を行った。 分析の結果、金利上限規制はマイクロファイナンス機関の貸出成長率を下げるように働いていたことを示唆する結果が得られた。しかし、すべてのマイクロファイナンス機関がこの制約を受けてすべての地域で一律に貸出成長率を下げたわけでなく、いくつかのマイクロファイナンス機関では規制後に貧困地域への貸出を伸ばしているケースも見られた。つまり、規制の影響が均質ではなく、マイクロファインナンスによっては予想と異なる行動の変化をしていたことが示唆される結果となった。 この分析結果を踏まえたうえで、今後はどのようなマイクロファイナンス機関が影響を受けやすかったのか分析をしていく。さらに、金融機関の借手側がこの規制によってフォーマルな金融機関へアクセスできなくなった場合にどのように行動したのか、それによる借手の経済厚生の変化などの借手側への影響についても分析していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度は、金融機関の分析について、CMAからデータの提供を受けての分析を行った。金融機関の行動変化のほかに借手の行動変化についても分析を行うことを検討しており、その分析に必要なデータを収集するため、カンボジア家計への聞き取り調査の準備も行った。特に、CMAのデータの分析結果を踏まえたうえで、調査の対象地域の選定や質問票の作成などの準備を行った。来年度はデータを収集し、借手側の分析にも移れる予定であり、おおむね計画通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は金融機関の行動変化の分析の他に、借手の行動変化についても分析を行うことを計画しており、その分析に必要なデータを収集するため、カンボジアの家計への聞き取り調査を行うことを予定している。2019年度中に、これまでの分析結果を踏まえたうえで調査会社を選定し、本調査を開始する見込みである。 また、家計や金融機関の分析において、補完的なデータの収集をカンボジアで行う予定である。特に統計局やカンボジア中央銀行などを訪問し、過去の家計データなど関連するデータを収集する。 さらに、今後カンボジアに出張に行ったタイミングで、調査の準備の一環として、マイクロファイナンス機関の経営者やオフィサーを対象に聞き取り調査を行うことを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたデータ分析のタイミングをずらしたため、データ購入や物品購入に係る支出を次年度に見送ったため。また、予定している調査に変更が生じて委託予定額が増加する可能性も踏まえて、様子をみるため予定していた支出を見送ったため。
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