研究課題/領域番号 |
18K01652
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
武内 真美子 九州大学, 男女共同参画推進室, 准教授 (80737742)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 国際比較研究 / 学業成績 / 海外経験 / 専攻リターン |
研究実績の概要 |
主な研究成果として4点あげられる。まず、アジアの主要都市の高学歴者労働者を対象とした年収の決定要因に関する比較分析を行った。都市、男女別の推計を行い、Blinder-Oaxacaの格差要因分解を用いて考察した。分析の結果インドの都市では男女間賃金格差が認められないこと、またタイでは最も男女間賃金格差が大きく観測された。次に、学生の成績の決定要因に関する分析を行った。従来の研究どおり女子学生が男子学生のパフォーマンス上回っているが、その一部は学習態度の性差で説明がつくこと、また入学前の学習態度が入学後にも影響を与えている可能性も確認できた。大学の選択理由と成績にも関連が認められた。分位点回帰モデルを用いた分析でも女子学生の成績はいずれの分位点でも優っていた。また、語学力、海外勤務、留学等と年収の関係を検証した論文についても投稿済みである。保持している語学力と実際の仕事上での英語の使用の有無の両方を考慮した分析を行った。また、男性の場合は海外勤務経験、女性の場合には留学経験に年収プレミアムが確認できた。最後に、専攻リターンを計測する分析を別の調査データから、比較的新しいサンプルを用いて検証した。その結果、以前に行った分析結果と異なる結果が得られており、専攻のコーホート効果が推察された。 これらの進捗以外に、継続して企業の人事担当者へのヒアリングを行っており、2018年度はサントリーホールディングス株式会社の担当者へのインタビューを記事としてまとめた。北京大学および精華大学の女性研究者支援に関する現地調査も行っており、2019年度に記事としてまとめる予定である。最後に、一連の研究成果からいくつかの研究課題を新たに見つけており、上記の研究成果は今後の研究に繋がるものであったと評価している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学術誌に数編投稿済みである。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き高学歴者を対象に実証研究を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の使用額として見積もっていた費用の一部が次年度に繰り越されている。
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