研究課題/領域番号 |
18K01664
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研究機関 | 嘉悦大学 |
研究代表者 |
跡田 直澄 嘉悦大学, 経営経済研究所, 客員教授 (90144641)
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研究分担者 |
宇佐美 宗勝 嘉悦大学, 経営経済学部, 教授 (10761257)
眞鍋 雅史 嘉悦大学, ビジネス創造学部, 教授 (20537071)
中嶋 貴子 大阪商業大学, 公共学部, 准教授 (90802736)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 公的病院 / 住民満足度 / 病院会計 / COVID-19 / 病院経営分析 |
研究実績の概要 |
令和4年度は、下記の3つの研究を推進し、研究成果を得た。 第一は、COVID-19に伴う公立病院の財務に関する研究である。ここでは、全国公立病院の財務データについて、COVID-19以前の2018年度と足元の2021年度とを比較し、COVID-19が公立病院財務に与えた影響を評価した。公立病院はCOVID-19下において、多大な金額の補助金を受け取っており、それは収益減少及び費用増加分を超えるものであった。結果として、余裕財源によって長期借入金の減少、施設の増築、退職金引き当ての積み増しなどが行われており、不適切な補助金の存在可能性を発見した。 第二は、医療満足度に関する研究である。ここでは、2022年に実施したwebアンケートに基づいて、医療満足度の要因分析を行った。具体的には、大阪府民を対象にした2000サンプルのデータを収集した。一次的な分析に基づけば、公立病院の設置状況や病床数はその地域の医療満足度に有意な影響を与えていない。一方で、現役世代では若年になればなるほど医療満足度が高く、リタイヤ世代では高齢になればなるほど医療満足度が高くなるという結果が得られた。 第三は、公的病院の需要に関する研究である。ここでは、上記の研究と同じwebアンケートデータを用い、自治体が運営する医療機関の需要を、スポーツ施設、高校、博物館との比較によって分析を行った。医療機関、スポーツ施設の需要は所得項が有意にならない一方で、高校、博物館は正に有意な結果が得られた。ここから、医療機関、スポーツ施設は必需品、高校、博物館はぜいたく品とみなしている可能性を指摘した。 これらの研究は、令和4年度末の段階で、公表に向けた最終的な取りまとめを行っている。
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