研究課題/領域番号 |
18K01666
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研究機関 | 名古屋商科大学 |
研究代表者 |
田村 正興 名古屋商科大学, 経済学部, 准教授 (00711590)
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研究分担者 |
迫田 さやか 同志社大学, 経済学部, 助教 (30780754)
和久津 尚彦 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (80638130)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 医療経済学 / パネルデータ分析 / 不平等性 |
研究実績の概要 |
日本における医療の不平等性について、特に高齢者および政策効果との関係に着目してデータ分析を行った。データソースとしては、医療費支出および年齢・年収などの個人の社会経済的背景について、個人ごとに複数年を記録したパネルデータ(日本家計パネル調査、JHPS)を用いた。所得階層ごとに医療ニーズを推計し、同じく所得階層ごとにそのニーズと実際の医療費支出の差を計算した。この差が大きくプラスであれば医療費支出不足、大きくマイナスであれば医療費支出過剰と見なすことができる。さらに、日本全体での医療の不平等性指数を作成し、年ごとの指数の比較や世代間での指数の比較を行い、また政策後の変化について分析した。
結果として、特に低所得者層では、ニーズの大きさに比して実際の医療費支出が低い一方で、高所得者層ではニーズより大きな医療費支出が行われていることが分かった。また、景気が良ければ不平等性は縮小し、景気が悪ければ不平等性が拡大していることが分かった。さらに、既存研究では分かっていなかった高齢者間の不平等性は、リーマンショック後の景気が悪かった期間にかなり大きく拡大していたことが分かった。自己負担率の変化にも着目して分析を行っている。
論文"The Global Financial Crisis and Healthcare Inequality in Japan"を執筆し、英文ジャーナルに投稿した。現在査読後のrevision中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文は完成している。ただし、自己負担率の変化の影響を捉える分析は引き続き進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
2019年の最新データが利用できるようになったばかりであり、このデータを用いて、残った自己負担率変化の影響を捉える分析を行う。感染症の状況がもう少し収まれば、共同研究者との対面での研究会を利用して迅速にデータ処理を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスにより研究会が開催できないため次年度使用額が生じた。今年度後半の研究会およびそれに伴うPCソフトウェア購入のために使用する予定である。
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