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2021 年度 実施状況報告書

高齢者の就業と介護--家計内の協力と対立

研究課題

研究課題/領域番号 18K01670
研究機関近畿大学

研究代表者

呉 テツ人  近畿大学, 経済学部, 准教授 (50581196)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード高齢者 / 家族 / コロナ / 雇用 / 健康
研究実績の概要

2021年度、中国へ渡航することができなかったため、計画した研究に必要なデータへのアクセスができず、研究の進行が停滞しました。また、コロナ以降、中国の社会情勢と人々の価値観が大きく変化したことは本研究に新しい視点を与えました。この一年間、無理やり研究を推進することよりも、中国社会の変化に注目し、それらを研究に取り組むことを検討しました。
本研究は①高齢者の就業・子供世帯への労働サービス(家事手伝いや孫の世話など)の選択、②「親の支出」と「成人子供の支出」、③介護選択、④遺産分配と遺産動機 の4つに注目します。
コロナ以降、例えば、景気後退によって雇用環境が変化しました。オンライン授業の増加によって、未成年者を持つ家計にとって大人の在宅必要性が高くなりました。要介護老人にとって、感染リスクを減らすため、また行政の接触制限もあり、外部の有料サービスよりも家族に頼るケースが増えました。これらのことは、コロナ中だけでなく、今後の家族の在り方、高齢者の就業や介護選択などに大きな影響を与えるはずです。
さらに、日本と異なり、中国は動態ゼロコロナ政策を取ってきました。国際注目度の高い上海のほか、黒竜江省や雲南省など辺境地域に立地する中小都市、内陸大都市の西安、経済発展度の高い南部の広州や深センなど、多くの地域は比較的に長期なロックダウンを経験しました。経済発展度・人口構造・地方行政の効率性の差によって、ロックダウンの影響が大きく異なり、家計や人々の価値観に与える影響も異なります。なお、行動制限が厳しく制限された地域で、住民間の助け合いや交流が大幅に増えました。これまではこれらの地域間の差を分類し、分析で使える指標を検討・整理しました。今後、コロナ前後、そしてコロナ以降の地域間の差について分析を行います。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究は、北京大学に行ってアクセス制限ありのデータを利用して分析を行う必要があります。コロナの影響で、所属の近畿大学は新規の在外研究申請を一時停止する方針でした。また、短期調査の場合、現地で長期間の隔離(ホテル2週間+在宅orホテル2週間)が求められるため、実行することができませんでした。

今後の研究の推進方策

所属大学での在外研究の申請が再開しましたら、申請する予定です。可能であれば現地に一年間滞在し、研究に専念する予定です。
コロナ以降、中国の景気が低下し、実際の失業率も上昇した。また、家族の在り方について考え直す人も多い。現地に行く前に、これらの変化に注目し、マクロデータから実態を把握し、今後の研究に取り組みたいです。

次年度使用額が生じた理由

ここ数年、中国への渡航がずっとできませんでした。使用するデータの一部重要な指標はデータ収集機関である北京大学に行かないとアクセスできないため、研究が停滞しています。
今後、渡航できる前はコロナの影響に注目し、①ニュースなどからコロナによる行動制限の地域差(制限日数、制限の厳しさなど)を整理します。②中国のコロナ問題に関する研究(医学や社会学などを含め)を調べ、行動制限が高齢者の健康、家族構成への変化を調べます。③マクロデータからコロナ前後及び政策的制限の度合いによって、地域の人口・家族構成・健康状態・雇用などがどのように変化するかを調べます。渡航できましたら、マイクロデータを用いてdifference in differenceモデルでその影響を分析します。

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公開日: 2022-12-28  

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