経済構造や経済政策の大きなレジーム転換は、インフレ環境などの変化や不良債権の増加によって引き起こされている可能性があり、インフレ環境の変化が金融政策に与える影響や不良債権比率が金融機関の融資行動や利鞘決定に与える影響を分析することは、日本の金融構造のレジーム転換を理解する上で有用であると考えられる。研究テーマとして、1)インフレ環境の変化を許容するマクロ経済モデルを構築し、2)不良債権比率が金融機関の融資行動に与える影響を分析し、3)金融機関の利鞘決定要因を分析することなどを3つの大きな柱として位置づけて研究を行ったが、これは金融構造のレジーム転換を理解する上で新たなエビデンスを提供した。
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