研究課題/領域番号 |
18K01689
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山本 周吾 山口大学, 大学院東アジア研究科, 准教授 (70593599)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | global liquidity / offshore bond |
研究実績の概要 |
まず、報告に関する研究成果について述べる。2019年6月に IFABS 2019 Angers Conference (於、ESSCA School of Management - Angers, France)にて“Offshore Bond Issuance and Noncore Liability in China”というタイトルで研究報告をおこなった。そのセッションではアイルランドとポーランドの中央銀行のエコノミストが参加しており、国際金融の喫緊の課題である新興国のグローバル流動性について活発なディスカッションをおこなった。次に、2019年11月に第3回RESSU -Research in Economics & Social Scienceで研究報告をおこなった。先述した2019年6月に報告したものをベースに改良したものを報告した。滋賀大学で開催されたが、国際カンファレンスであったので、Seoul National UniversityのAhn, Jae Bin氏と有意義なディスカッションをおこなうことができた。以上の国際カンファレンスでの研究報告によって有意義なコメントを多数頂戴することができて、現在、それらを基に論文を修正して海外の査読付きジャーナルに投稿している。 次に、研究成果に関して述べる。この科研のコアとなる論文が海外の査読付き雑誌への掲載が決定した。具体的には、まだforthcomingの段階であるが、“Banking Network Multiplier Effects on Cross-Border Bank Inflows”という論文がInternational Review of Economics and Financeにアクセプトされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先述したように、国際カンファレンスへの報告をおこなうことができており、この科研のコアとなる論文が海外の査読付き雑誌であるInternational Review of Economics and Financeにアクセプトされたため、おおむね順調に進展していると言える。 しかし、2020年1月以降に新型コロナ・ウイルスによるコロナ禍のため、3月に上海で予定していたWestern Economic Association Internationalの16th International Conferenceにて研究報告をおこなうことができなかった。また、2020年度も海外での研究報告の機会がキャンセルされることが見込まれているので、研究の遂行に大きな支障をきたすことが予想される。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策であるが、先述したように新型コロナ・ウイルスによるコロナ禍のために国内外の学会及び研究会に参加できなくなり、研究計画の遂行に大きな支障をきたすことが予想される。このため、2020年度がこの科研の最終年度ではあるが、期間の1年間の延長を考えている。 同時に、現在、学会及び研究会もこの状況に適応しようと試みており、例えば、2020年5月末の日本経済学会ではzoomを使用したオンライン上で開催が実現された。私はこれに討論者として参加したが、この新しい動きに適用していくことが今後の研究の推進を図る上で重要になってくることが考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスのために2020年3月に上海で予定されていたWestern Economic Association Internationalがキャンセルされたので、その渡航費を次年度に繰り越しした。この繰り越した未使用額は2020年度は、海外の学会で報告するための旅費として使用することを計画している。しかし、現時点で新型コロナウイルスの影響は世界中に広がっており、終息する目途が立っておらず、さらなる次年度繰り越しが生じる可能性がある。その場合、2020年度がこの科研の最終年度であるが、期間の延長をおこなう可能性がある。
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