研究課題/領域番号 |
18K01703
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
辻 爾志 中央大学, 経済学部, 教授 (30367990)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | スピルオーバー / アセット・プライシング / 金融市場間の波及・連動性 / 計量分析 / 多変量解析 |
研究実績の概要 |
近年、金融市場間の国際的な連動性が従来との比較上、格段に強まってきているという背景・状況を踏まえ、本研究では、金融市場における各種資産間の国際的なスピルオーバー(資産の変動性の他資産や他市場への漏出(spillovers))の状況・効果に関する実証・計量的な解明を目的に研究を推進中である。 既存研究では、同一のアセットクラス間の関係に関する分析が多いため、本研究では、特に異なるアセットクラス間や、これまであまり分析されてこなかった特定のセクター間の国際的なスピルオーバーの状況・効果に関し着目しつつ、実証・計量的な研究を推進中である。 また、実証・計量的分析においては、適用する計量モデルにも十分な注意を払いつつ研究を推進していることも本研究の特色である。 上記のような目的や方針に基づき研究を推進した結果、研究期間2年目である2019年度は、各種の資産における国際市場間での変動性のスピルオーバーがどのようであったのか、という点に関し、複数の研究成果の採択・発表に至った。 これらの複数の成果のうち、特に、世界主要国における銀行セクターの株式間の関係を分析した論文は、2019年度の代表的な研究実績といえる。この他にも、北米と南米の市場間やアジアの市場間のアセット・リターンの伝播・波及状況に関する研究結果も導出でき、これらの2019年度の成果は、今後の研究の進展にも効果的に繋がっていくものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は、複数の研究成果の公刊・採択に至ったため、おおむね順調な研究進展状況であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、対象とする資産データを変えつつ、リスク管理やポートフォリオ管理等の観点も考慮に入れながら、各資産間の国際的なスピルオーバーの状況に関し、更なる計量的な調査・分析を進める計画である。 また、計量的分析手法・モデルに関する更なる工夫や拡張といった側面についても継続して重要視しつつ、本研究を着実に継続・推進したく計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
データを自助努力により収集したため次年度使用額が生じたが、次年度の論文校閲料等に充当するなどで有効にこれを活用していく計画である。
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